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冥府より愛を込めて
2007 / 03 / 02 ( Fri )
竪琴の音色を覚えている
あなたが触れると、まるで生きているように歌った
あの竪琴の音色を覚えている




それから、低く高く透明な、生きている音
あれは何だったかしら

かなしげに、誰かの名を呼んで
誰の名なのかしら
知らないひとの名前だけれど、あまりに
その声が何度も何度も、繰り返すものだから
知らないひとの名前だけれど、すこし
羨ましく思ってしまう

低く高く、透明な、生きている音
彼は泣いていたのかしら
どうして泣いていたのかしら
どうしてこんなに、悲しくなるのかしら
どうしてこんなに、懐かしいのかしら

高く低く、透明な声が
謡う女の名


エウリュディケ
最後に微笑んだのを覚えている
黒く陰り塗りつぶされて
また落ちてしまった

エウリュディケ
振り向いた時、微笑んでいたね?
愚かなわたしを笑ったのかい?
契約を知っていながら

ああエウリュディケ
わたしは振り向いてしまった!
わたしの引く、この手が
本当に君のものかと
あと数歩、数歩で
君を冥府から、取り返せたのに!

エウリュディケ
振り向いた時、微笑んでいたね?
愚かなわたしはほんの少し
安心すらしていたんだよ

ああエウリュディケ
君の微笑みが変わっていなかった
生きていた頃と、少しも
一瞬の喜びと引き換え
君は冥府へと、落ち戻った

愚かなわたしを、叱ってくれエウリュディケ
呪ってくれエウリュディケ!
わたしの唯一。最愛のひとよ


知らない人の名前だけれど、妬いてしまいそう

高く低く清らに、謡う声を覚えている
透明に届く音を、謡う声を覚えている
この声
わたしを呼んだこの声

 ― エウリュディケ ?


ああ、わたし、
わたしだったの、呼んでいたのは
あなただったの、謡っていたのは
ずいぶん待たせてしまっていたの

戻ったのよ、オルペウス
もう、エウリュディケではないけれど
あなたの音を覚えているそれが証
細胞に満たされている、透き通った水のような音
謡って、オルペウス
きっと思い出すわ
音と一緒に、景色を、香りを
謡って、オルペウス
今度こそ甦るわ
エウリュディケ
=オルペウスの愛妻

オルペウス
=毒蛇に咬まれて死んだ恋人を冥府まで迎えに行った吟遊詩人。
 一度は恋人を救うチャンスを得たものの、「現世に戻るまで振り向いてはならない」という契約を破り、エウリュディケは冥府に戻される。
 その後妻帯を拒み、オルペウス教を創始。マイナデス(狂乱する女達・嫉妬深い女達)に八つ裂きにされ川に流される。




エウリュディケだけが人間に転生していて、こうなればいいな、という空想をしています。

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オルペウスについて
オルペウスオルフェウス(Orpheus)は、ギリシア神話に登場する吟遊詩人であり、古代に隆盛した密儀教であるオルフェウス教の始祖とされる。オルペウスとも仮名表記される。アポロンとムーサイのひとりカリオペの子で、竪琴の技は父・アポロンに伝授されたともいう。その技 神話&神々の研究【2007/03/17 14:04】
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